電気電子工学は、私たちの日常生活や産業界に欠かせない技術を学ぶ分野です。この専攻から卒業した人たちは、多種多様な分野で活躍することができますが、特に「強電」と「弱電」という二つの分野が就職先として大きな選択肢となります。でも、これらの言葉を聞いても、何のことか分からない人も多いかもしれません。そこで、この記事では強電と弱電について簡単に解説し、それぞれの分野でどのような就職先があるのかを見ていきましょう。
目次
- 強電と弱電って何？
- 強電の主な就職先
- 弱電の主な就職先
- まとめ
1. 強電と弱電って何？
強電とは
「強電」とは、発電所から家庭や工場に電力を送るための高電圧の電力系統や大型の電気機器を扱う技術のことです。つまり、電気を「生み出し、運ぶ」ことに関わる技術と言えるでしょう。これには、変電所の設計や建設、発電所の運用などが含まれます。
弱電とは
一方、「弱電」は、情報の伝送や処理に使われる低電圧の電気を指します。これには、パソコンやスマートフォン、さらにはインターネット通信など、情報を「伝える、処理する」ための技術が含まれます。家庭で使われる電化製品の設計や、通信ネットワークの構築などが弱電の分野に入ります。
2. 強電の主な就職先
強電分野では、主に電力の生成、伝送、配布に関連する業務が中心です。しかし、一部の重電機メーカーは、弱電分野における製品やサービスの提供も行っており、その技術的な境界は徐々に曖昧になっています。
- 電力会社：東京電力ホールディングス、関西電力など、電力供給の安定化と管理。
- 重電機メーカー：三菱電機や東芝は、産業用機械やシステムの設計、製造に加え、情報通信技術（ICT）や家電製品など、弱電分野における製品・サービスも手掛けています。
- 設備工事会社：大林組、鹿島建設など、電力インフラの構築や維持管理。
3. 弱電の主な就職先
弱電分野は、情報伝達や処理に関わる技術領域であり、通信、エレクトロニクス、ITだけでなく、精密機器の開発にも関連があります。
- 通信会社：NTTドコモ、KDDI（au）は、移動通信サービスの提供、通信ネットワークの構築・運用を行います。
- エレクトロニクスメーカー：ソニー、パナソニックは、家電製品やオーディオ機器の開発・製造を行い、日常生活を豊かにします。
- IT・ソフトウェア会社：富士通、LINEは、情報処理システムやメッセージアプリの開発・運用を通じて、情報社会の発展に貢献しています。
- 精密機器メーカー：キヤノン、ニコンなどは、カメラや医療機器などの精密機器を製造、これらの製品は高度な電子技術を用いており、弱電分野の知識が活かされます。
4. まとめ
電気電子工学科の卒業生は、強電と弱電の両方の分野で多彩なキャリアを築くことが可能です。特に、重電機メーカーのように、強電と弱電の境界線上で活動する企業も存在し、卒業生には幅広い選択肢が提供されています。それぞれの分野で自分の興味やスキルに合った職場を見つけ、未来の技術者として社会に貢献していくことを願っています。
